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PNC TN1430 97-004, 85 Pages, 1997/08
事業団は、大学との研究協力の推進を図るため、平成6年度に大学との研究協力のあり方等を検討した。その審議結果に基づき、平成7年度から、先行基礎工学研究協力制度を発足させ、2年目を迎えた。先行基礎工学研究協力制度は、事業団の施設を主に利用した原子力工学分野に関する基礎的研究を大学との研究協力により推進することを目的とする。この制度は、事業団が設定した研究協力テーマに対して、大学側からの研究協力課題、研究者の応募をもとに、応募された研究協力課題を選考し、大学との共同研究の設定、客員研究員の受入れ、研究生の受入れ等により研究協力を実施してきた。本報告書は、平成8年度に実施した高速増殖炉関係及び環境技術関係の先行基礎工学分野に関する20件の研究協力課題の実施結果の概要をまとめたものである。
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PNC TJ1281 95-002, 257 Pages, 1995/02
地層処分場からの核種放出のcriticalpathを同定し、かつその移動特性を明らかにする上で特に重要性の高い不均質媒体中の水理・物質移動問題について、地層の持つ不均質性をフラクタルモデル(統計的自己アファインモデル)により表現し、更に場のモデルに対して高解像度の水理解析及び物質移動解析モデルを適用することにより現実的かつ詳細な解析を行う手法の開発を行った。本年度は、昨年度開発したMACRO-AFFINITYコードに対してさらに改良を施し、以下の点で機能の拡張を行った。・堆積岩等の異方的な(フラクタル特性が方向によって異なる)不均質媒体の模擬・放射性核種の崩壊、及び線形・非線形の吸着による移行遅延を考慮したパーティクルトラッキング・複数の異なるフラクタル特性を持つ岩体、あるいは母岩と人工バリアから成るニアフィールドといった複合的な不均質媒体の模擬これらの拡張により、今年度作成したMACRO-AFFINITYVersion2.0は、天然バリアについての性能評価及び不均質多孔質媒体中物質移動試験の解析、といういずれの側面においてもより実用性の高いものとなった。また、改良されたコードを用いて、今年度動燃事業団殿の実施した第二回不均質多孔質媒体中物質移動試験の供試体設計と条件設定を行うとともに、解析結果と試験結果の比較を行い、実際の実験条件の設定値とのずれを考慮することによって解析結果が試験結果と整合的なものとなることを確認した。さらに、今年度の改良点のうち特に異方的なフラクタル場の作成機能を用いて、主流動方向に卓越した相関構造を持つような異方的な供試体の設計と対応する予察解析を行った。
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PNC TJ1281 93-005, 183 Pages, 1993/02
本研究は、天然バリア中の核種移行遅延機能の長期的評価において、主要な不確実性要因となる岩体透水係数場の不確実性を考慮した上で、信頼すべき長期予測解析手法を確立することを目的として実施したものである。初年度にあたる平成四年度においては、まずはじめに多孔質媒体中での物質移動に対して、透水係数の空間的不均質性が及ぼし得る影響を検討し、微視的流速分布が物質の巨視的分散挙動に支配的な役割を演じていることを明らかにした。そして、このことから、透水係数場を詳細に記述し、そこでの水理・物質移動を解析し得る手法の確立が必須であるという結論を得た。また、この様な解析手法に対する要件として、実際のサイト調査がある有限個の地点でしか行い得ないことに起因するInverse Problemの本質的不確実性を定量的に表現可能な統計的取り扱いが求められることを述べ、これを客観的に達成し得るか否かという観点から、候補となる各手法についての比較検討を行った。そして、結果として、空間的トレンドの存在、あるいはエルゴード性といった恣意的で検証不可能な仮定を必要としないという点で、フラクタルスケーリング則に基づく統計的自己アファインモデルを用いた手法が現時点では最も適切なものであることが明らかとなった。以下の研究は、この様なフラクタルモデルの例としてAFFINITY-2Dコードを用いて行うこととし、その概念モデルと数値的解法、即ち統計的自己アファインな透水係数場を作成する方法、pre-conditionされた共役勾配法による水理解析及び物質移動解析に用いるパーティクルトラッキングについて詳細な調査を実施した。